経験者が思う、協力隊応募前に考えたいこと -働き方&家計簿編-

経験者が思う、地域おこし協力隊応募前に考えたいこと。第2弾です。

(前編は下記リンクより)

~前提として~

わたし(やまなし暮らし支援センターの移住相談員S)は、山梨県で地域おこし協力隊として3年間活動していました。その経験が日頃の仕事に活きていますが、あらためて協力隊という働き方について少しずつ考えを書きとめていきます。


確認したい!協力隊の働く環境

ここはさっくり簡単に行きます。2点だけ「確認しておきたいこと」を言います。

1.協力隊の先輩または仲間または外部アドバイザーがいるか

2.副業OKかどうか

ということです。

一つ目は、孤独にならないためです。相談できる相手がいないと色々行き詰ってしまいます。

相談相手が地元の人や役所の人だけだと、立場や背景が違うので難しいことが多い。
自分が悩んでいることは、同じく外から来た人が先に悩んで解決している可能性があります。別の選択肢や正しい方向性を提案してもらえることもあります。

とにかく、地域の外を知っていて、地域で活動する苦労を体感している仲間をつくりましょう。隣町の協力隊員、数年前に移住してきた人、などでも良いと思います。


二つ目の副業は、3年の任期後のために重要と思われることです。

もともと地方では様々な仕事を組み合わせることが自然に行われていますよね。
例えば、本業は会社員+兼業で農家。建設業+消防団+除雪作業員。夏は観光業、冬は杜氏など。

任期後に独立するつもりならもちろん、起業に向けた準備のため。
そうでなくても生活力をつけるため、商売の勉強のためにも協力隊活動以外のナリワイを作ることは重要です。

とはいえ制度上、副業NGとしている自治体が多いのが現状です。

・まずはボランティアで関わる
・研修として行う(協力隊には研修制度があります)
・プライベートの活動を業務として認めてもらう
など色々な方法があるかと思います。


協力隊の給料で生活していけるか問題

「3年後の進路」に並んで疑問に上がるのが、生活費のこと。

正直に言うと、やる気や労力、もしくはスキルに対してお給料が見合わない!安い!と思うことはあるでしょう。

しかし、協力隊のベース賃金である「16万6千円」は普通に地域で生きていくために十分な収入である、という見方もできます。

理由は二つあって、まず給与相場の低い地方では悪くない条件だということ。
事務系フルタイムで手取り10万円…といった話はよくあります。
そう考えたら16万6千円はかなり生活が保障されていると言えます。


理由の二つ目は、収入が少なくてもコストも少ないということ。
例えば車両とPCは貸与、家賃は活動費から拠出(つまり自己負担なし)といった条件が多い。
都会で一人暮らししていると収入の3分の1くらい家賃で持っていかれるところ、ゼロになるのはありがたいですよね。

具体的なイメージがわかない方は「地域おこし協力隊 家計簿」とか「給料」で検索してみましょう。過去の隊員のリアルな状況を見ることができます。

さらに私の2年目の例をわかる範囲で記してみます。


協力隊(当時23歳独身)の家計簿晒してみた

当時はめずらしいケースだったようですが私は市役所と雇用関係のない協力隊でした。市役所が個人事業主に協力隊業務を委託している というイメージ。

税金などは自分で払っていました。その代わりちゃんと働いていれば副業は自由。
副業として出身大学の現地スタッフをしていました。固定給です。
家賃(水光熱費含)や通勤ガソリン代は協力隊の活動費から。PCや自動車は自前でした。


【収入】協力隊+副業 計¥197,000

【支出】¥156,000

【差引】¥41,000

結構貯金できそうですよね。実感ではこんなに余っていた気がしないのですが。。苦笑
上記以外の支出としては帰省、冠婚葬祭、親への借金返済、冬の灯油、車検代などがあります。

副業が丸々なかったとしても、交際費を抑えればもっと余裕が出てきそう。
しかし仲間や地域の人と過ごす時間は他に代えがたいものでした!

実際はもっと皆さん上手にやりくりしていると思うので参考程度にご覧ください。


協力隊についてもっと詳しく相談したい方は、地域おこし協力隊サポートデスクの活用もおすすめです。経験・知識の豊富な協力隊OB,OGや行政職員の方が対応してくださいます。

山梨県に関するもう少し詳しいお話、よりリアルタイムな協力隊募集などについてはやまなし暮らし支援センターまで、お問い合わせはお気軽にどうぞ。

長くなりましたが、皆様が素敵な地域と出会い、活躍されることをお祈りします!