地方移住への5つのステップと「移住ノート」のススメ

「環境が良いところへ移住したい」「機会があれば地元に帰りたい」「地域活性化に興味がある」…と思いながらも、何から始めたらいいんだろう?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、漠然とした状況から移住検討を進めるステップと、便利に使えるツールを紹介します。(2020年5月作成→2023年5月更新)

移住を考えるときに大切なこと・ステップ0(ゼロ)

移住とは生活環境が大きく変わることです。人生を変える転換点になりえますし、二地域居住だとしても余暇の過ごし方などが変わります。だからこそ誰でも失敗や後悔はしたくないはず。

そのために大事なものが、移住する動機・思いです。現実的な条件を挙げたり物件を見てみたりする前に、
「自分は移住して何を実現したいのか」
「誰と、どこで、何をしていきたいのか」
を、前向きに考えていただきたいと思います。

そんなに大きく立派な理想がなくても大丈夫。
「自然が身近な環境で家族で楽しく過ごしたい」
「畑や農業を暮らしに取り入れてみたい」

などなど。心に湧き上がる気持ちや目標は、その後の苦労や面倒臭さを乗り越える原動力になるはずです。

 

移住検討を進める5つのステップ

移住の動機となる思いを確認できたら、どのように進めていけばいいか。移住までの流れについて、おおまかにご紹介します。一例なので、それぞれの順番・方法でかまいません。


1.パートナー・家族の思いを確認する

自分の思いと同じくらい大切なのが、周囲の人の思いです。自分の理想が地方暮らしだったとしても、パートナーはそう思っていないかもしれません。ご両親は首都圏に住んでいてほしいかもしれません。

いまの生活を変え、移住するという方向性についてしっかり話し合うことをおすすめします。

 

2.必要な条件を洗い出す

移住後の生活においての具体的な条件をリストアップします。人によって必要なこと、気になることはさまざま。

・気候や自然環境(温暖、冷涼、海が近い、山が近い...)

・生活環境(大きな地方都市、ほどほどの市街地、農山村、別荘地...)

・住環境(一軒家、賃貸集合住宅、古民家...)

・しごと(農林漁業、一般企業、起業、テレワーク...)

・交通の利便性(鉄道や高速道路、都市や実家からの距離...)

・子育てや医療(病院が近い、保育園に入りやすい、通学に便利...)

こうして考えてみると、項目の中から優先順位の高いものが見つかってきます。全て都合よく叶うとは限りませんが、ご自身に必要・重要なものから挙げてみましょう。

なお交通利便性に関連して、多くの地方で車は必需品です。車を持ちたくない場合は現実的に生活可能か確認しましょう。

山梨での地域選びの参考にこのような記事もお役立てください。

3.都会(今いる場所)で情報収集

多くの地域が移住促進に取り組む今、WEBで多くの情報が手に入れられます。

・全国移住ポータルサイト…Furusato移住・交流ナビJOIN など

・県や地域の移住情報サイト…Y-charge(やまなし二拠点居住・移住総合WEBメディア)やまなし就職応援ナビ甲斐適生活 など

・移住した人のブログやSNS

また、資料収集や移住相談ができる首都圏の窓口として

ふるさと回帰支援センター(やまなし暮らし支援センターもこの中)
移住・交流情報ガーデン

などがあります。ふるさと回帰支援センターでは年間500件以上の移住相談イベントが開催され、地域の人の話を直接聞くことができます。さらに近年では自治体とのオンライン相談も定着してきました。こうした機会を活用しながら現地で見るべきことを明らかにしていきましょう。

 

4.現地でしっかり情報収集

実際に現地でわかることは想像以上にたくさん。ステップ2で挙げた条件はもちろんのこと、雰囲気や出会った人の印象など感覚的なものも大事な要素だと思います。

現地視察のポイントはただ観光のように地域を楽しむだけではなく、生活環境を確かめること。

・自治体が主催する移住体験ツアー
・生活を疑似体験できるお試し住宅
・移住相談窓口やまちの人と交流できる場所

などを活用して「ここに住んだらどんな生活になりそうか」を想像しましょう。

 

5.職と住を準備する

やりたいことや地域が定まったら、いよいよ生活基盤の構築へ。やりたい仕事優先か、住む場所優先かによって順番が前後することもありますが、同時並行に準備を進めていきます。

「地方には仕事が少ないのでは」と山梨への移住相談でよく聞かれます。確かに首都圏に比べると種類は少なく、給与相場は少し下がりますが、多種多様な仕事があります! WEBでの情報収集とあわせて、ハローワークや就職相談窓口での個別相談、現地での合同企業説明会などを活用しましょう。

住まいに関しては希望の暮らし方によって異なりますが、多くの場合まずはインターネットで物件情報・空き家バンクなどを見てみるところから。探し方のコツなどはやまなし暮らし支援センターや自治体の相談窓口でもご案内しています。

 

移住ノートを作ろう!

移住を進めるステップはイメージできましたでしょうか。たくさん悩んだり行動したりした分だけ、後悔のない移住につながると考えています。

皆さんご自身が移住検討を進めていくにあたって、活用いただきたいツールが移住ノートです。

移住ノートは、これまで紹介した移住への過程を記していくノートです。移住にあたって不安なこと、セミナーや現地訪問で調べたことなどを自由に記録していきましょう。興味のある複数の地域を比べたり、悩んだとき読み返して初心を思い出したりと、使い方は様々。

お気に入りのノートを1冊用意して、書き込んでみてください。書くことで頭の中の考えが整理されるというメリットもあります。

また、自治体でこういったノートやワークシートを用意しているので、活用するのも手です。


事例1.やまなしぐらし(山梨県移住・二拠点居住ガイドブック)

山梨県の移住全般について知ることができるガイドブックです。こちらでは移住・二拠点居住の実現に向けた7つのステップを紹介しており、書き込みしながら検討を進めていくことができます。

下記、ページの一例です(2021年作成版。無断転載・二次配布はお控えください)

情報収集の方法や相談窓口、自治体のデータといったお役立ち情報がまとまっています。移住を考え始めた段階から、地域を絞りこんだり体験したりする際にも使える一冊ですのでぜひご覧ください。


事例2.甲府移住ノート

山梨県甲府市ではオリジナルの移住ノートを制作・無料配布しています。甲府の地域情報を確認しながら、自分の思いや調べたことを書き込める優れもの。

下記、ページの一部です(無断転載・二次配布はお控えください)

現在と移住後の生活費、保育園や学校といった子育て環境、病院事情など暮らしに必要な要素がたくさん。移住後の理想だけではなく、現在の生活を振り返ることができるのもポイントです。


こういった資料にご自身の言葉で書いているうちに、気づきや疑問が出てくると思います。当初は想像がつかなかった部分が気になってくることも。

些細なことでも周囲の人に相談したり、窓口に問い合わせたりしながら一つずつ解決して、より良い形の移住を実現していただけたらと思います。

 

移住ノート・パンフレットのご希望は移住相談窓口へ

ご紹介した資料は次の場所にて入手可能です。

・やまなし移住・二拠点居住ガイドブック「やまなしぐらし」:

 やまなし暮らし支援センターにて配布、Y-charge内お知らせページにてデータ閲覧可能

・甲府移住ノート:

 やまなし暮らし支援センターにて配布、甲府市移住サイト「甲府の暮らし方」にてデータ閲覧可能

ご希望の方はお気軽にお問い合わせください!