山梨で農業をやりたい方への手引き -家庭菜園編-
田舎・地方での生活の醍醐味といえば、"農ある暮らし"もその一つ。
自分で土をおこし、種をまき、肥料を与え、収穫する・・・手間をかけて育てた新鮮な野菜やお米などの味はひとしお。
災害や国際問題など、先の見えない世の中だからこそ「自分の手で食べ物をつくる」ことの大切さが見直されています。
私たちやまなし暮らし支援センターにも「山梨で農業をやってみたい」という相談が寄せられます。
しかし一言で「農業」といってもみなさんがどんなことをイメージされているか、少しずつ違ってくると思います。ご自身がやってみたい農とのかかわり方はどれでしょうか?
A.収入は他の仕事等で得る。余暇時間で農作業を行い、自分たちで食べる分をつくる。
B.収入は他の仕事で得ながら、並行して農業を行う。作物の販売などで収入を得る。
C.農業をメインの仕事とし、生計を立てていく。
D.自分で食べるものの大部分をつくり、物々交換やわずかな現金収入で生活を成り立たせる。
↑簡単に図解してみると、大きく分けてこのような感じでしょうか・・・。
正式には様々な区分・定義がありますが、私は便宜上この四つの在り方を
A.家庭菜園 B.兼業農家(または半農半X) C.専業農家 D.自給自足
という呼び方で分けることにしています。
この手引きシリーズでは、それぞれの農スタイルのはじめ方・やり方についてみていきます。第一弾は、自給的に農業を行う「家庭菜園」編です。
おうちで自給的農業・家庭菜園からはじめよう!
自給を目的とした家庭菜園は比較的気軽に始めることができ、やり方も様々です。
土地や設備に大規模な投資が必要なく、場合によっては都会に住みながらでも始めることが可能です。また仮に失敗しても生活へのダメージが少ないので、様々な作物・栽培方法にチャレンジしやすいとも言えます。
ゆくゆくは収入を得るレベルまでステップアップしたい方も、まず自給用に小規模で作り始めるのはおすすめです。
山梨での家庭菜園のはじめ方 3パターン
1.家庭菜園スペースのついた物件を借りるor買う
自宅で農作業ができればとても楽ですよね。庭があればご自身で一から開墾するのも楽しいもの。
また中古一戸建ての物件の中には畑(家庭菜園が可能なスペース)が付属しているものが時々あります。特に、市町村が開設する「空き家バンク」登録物件に比較的多くみられます。
2.市民農園のような共同のスペースを借りる
自宅に畑を作るのが難しい方にはこちらがおすすめ。自治体などが管理する農地の区画を個人に貸し出しています。ほか、農業法人などが運営する私営の農園もあります。
契約は基本的に1年単位(4月~翌年3月)のところが多いようです。中には農機具の貸し出しや栽培方法の指導をしてもらえる農園も。初めての方もチャレンジしやすいですね。
また「クラインガルデン」という宿泊・滞在施設等を併設したものもあり、首都圏等から通いながら農作業することも可能です。
・南アルプス市クラインガルデン
・高根クラインガルデン(北杜市)
https://www.city.hokuto.yamanashi.jp/docs/1959.html
・梅の里クラインガルデン(甲斐市)
http://www.youknowsksm.com/kleingarten/
・山梨県の市民農園一覧
https://www.pref.yamanashi.jp/noson-sink/48436603631.html
3.畑を所有する方から借りるor買う
多品目・大量生産したい、自然栽培などこだわりの方法に挑戦したい場合は、新たに広いスペースが必要になることも。
ただ、実は畑(農地)を借りることはとても大変です。農地法という法律で定められた農地は、原則的に農家以外が借りることはできません。耕作面積などの条件を満たしたうえで地域の農業委員会へ許可申請が必要となります。
「そこまで大げさにせず、少しだけ借りたい」ということで農地の間借りや個人間での取引をする例もあるようですが、いずれも農地法に違反する行為となります。ご自身、そして土地の持ち主の方を守るためにも、自治体など公的機関に相談し然るべき手続きを行いましょう。
いずれにしても貸してくれる地主さんとの関係構築が重要です。大事な土地の貸し借りに関わることなので、人と人との信頼が第一。簡単に情報が手に入り話がまとまる、なんてことは稀なので地道な近所づきあいから始めましょう。
ほかに、もっと気軽な第一歩として
・市町村などが主催する農業体験イベント、収穫までを体験する通年型ツアーなどに参加
・近所の人や知人の農作業を手伝う(おすそ分けがもらえるかも?)
といった形でお試し農作業をやってみるのもおすすめ。
山梨県では様々な地域で畑が身近にある暮らしを実践できます。皆さんのイメージに合う地域選びもお手伝いできますので、お気軽にお問い合わせください。
専業・兼業農家など、農業で収入を得ることを目指す!というスタイルについては、改めて記事にまとめました。下記をご覧ください。
《山梨移住の相談窓口》
《参考》
家庭菜園・自給用農業関連の情報サイト
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